なんだろう?なぜだろう?
最新のなんだろう?
これはなんだろう?
この脚(あし)のついた丸いものは
なにに使われていたのかな?
- 上からみると※破線の部分は復元しています。円形部分のおおきさは,15.6cmあります。
- 横からみると※脚の部分はなくなっていたので想像で作っています。
粘土で作って硬く焼いたものです。形や材質はちがうけれども,これとおなじものは習字などで使ったりもするよ。
こたえ:
古代に使われた土製の硯(すずり)です
写真は,土製の硯で,丸い形をしているところから円面硯(えんめんけん)とよばれています。これには,脚がついていたと思われます。この硯は,広島県安芸高田市吉田町郡山城下町(こおりやまじょうかまち)遺跡の古代の溝の中から見つかりました。
私たちが日常使っているのは,長方形をした黒い石の硯で,平安時代に作られ始めたものです。それ以前は,陶硯(とうけん)とよばれる焼きものの硯で,墨(すみ)をする面が丸いのが一般的でした。
古代の硯は広島県内の30数箇所で発見されていますが,その多くは役所跡や寺院跡などから出土しています。この円面硯が見つかった郡山城下町遺跡も,古代の郡衙<ぐんが・高宮(たかみや)郡の役所>に関係があったところと考えられています。
硯は,約2千年前に中国で発明された文房具のひとつで,それが中国から直接あるいは朝鮮半島を経由して,飛鳥(あすか)時代頃に日本にもたらされました。そうした大陸からの文化が,都ばかりでなくこの地方へも伝わってきたことを,この円面硯はしめしています。
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