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発掘調査ニュース

令和6年度 発掘調査ニュース

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二才原遺跡(府中市広谷町)

二才原遺跡の発掘調査終了

【調査期間】令和6年4月15日 ~ 6月14日

〔調査の概要〕

新山府中線単県道路改良事業に伴い、令和4年度に実施した第1次調査地の道路を隔てた北側120㎡を対象に発掘調査を行いました。第1次調査では、出土した土器類から備後国府が存在した奈良~平安時代を中心とする遺構が見つかっています。

今年度の調査では、土坑、柱穴、溝 など、50基の遺構を検出しました。調査区の中央付近では、梁間2間、柱間距離約1mで柱を抜き取った痕跡が残る柱穴列が確認できました。また、第1次調査で見つかっていた溝の続きと考えられる溝も確認しました。確認できた溝は2条で、柵列を伴うものもあります。ただし、今回確認できた遺構の深さは10㎝未満と浅いものが大半であることから、遺構面は後世に削平されていると考えられます。遺構に流れ込んだ土に含まれていた遺物は、弥生時代中期の土器が中心となっています。遺構面の上に堆積していた土は、丘陵上から流れ込んだ土と考えられ、この土には弥生土器の他に須恵器や土師質土器、さらに石鍋の破片等、古代~中世にかけての幅広い時期の遺物が含まれていました。

今年度の調査で確認した遺構は、遺構から出土した遺物から、弥生時代を中心とした時期のものと推測されます。第1次調査時に確認できた遺構とは異なる時期の遺構が中心となりますが、遺跡の性格等の具体的な遺跡の評価は、今後の整理作業をとおして検討していきます。



  • 空中写真(南西から)
    空中写真(南西から)
  • 柱穴列(北から)
    柱穴列(北から)
  • 柵列を伴う溝(北から)
    柵列を伴う溝(北から)
  • 弥生土器を含む遺構(南西から)
    弥生土器を含む遺構
    (南西から)
  • 作業風景
    作業風景
  • 度重なる水没に悩まされた<br />調査区
    度重なる水没に悩まされた
    調査区

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神田遺跡(竹原市新庄町)

中世の集落跡か

【調査期間】令和6年4月8日 ~ 令和7年1月(予定)

〔調査の概要〕

神田遺跡の調査は道路改良工事に伴うもので、調査区南端から約500m南には、令和3年度に調査した城ノ本遺跡や竹原小早川氏の本拠城・県史跡木村城跡があります。賀茂川を挟んだ西側の対岸にも、同氏の墓所や館跡の可能性がある手島屋敷跡などがあり、周辺は竹原小早川氏に関連する遺跡が多く所在する地域です。城ノ本遺跡も竹原小早川氏に関連する遺跡と考えられ、今回の調査を通じてこの地域の中世の様子がより明らかとなることが期待されます。



  • 調査前近景(北から)
    調査前近景(北から)
  • 作業風景(北東から)
    作業風景(北東から)

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福原2号遺跡(東広島市西条町寺家)

弥生時代~近世の集落跡

【調査期間】令和6年4月15日 ~ 9月(予定)

〔調査の概要〕

福原2号遺跡は龍王山から派生した低丘陵の先端付近に位置しています。発掘調査は街路改良工事に伴うもので、平成25年度に今年度調査地点の南西側一帯を調査しており、弥生時代~近世にかけての遺構・遺物が見つかっています。特に近世の耕作地としての利用が明らかになったほか、円面硯など古代の役所に関連する資料も見つかっており、今回の調査でも同様の成果が期待されます。

  • 調査前近景(北西から)
    調査前近景(北西から)
  • 作業風景(北東から)
    作業風景(北東から)

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