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むかしライフ研究室

第5回研究テーマ石包丁(いしぼうちょう)の謎(なぞ)!

【石包丁ってなんだろう?】


  • 【東広島市高屋町・西3地点遺跡出土】
  • まずは,石包丁のかたち。

    大きさは12~13㎝くらいで,長方形か半月形で,背の部分には2個の穴があいているものが多く見られます。このような磨製石包丁は,弥生時代 (今から2300年前~1700年前頃)の代表的な石器の一つです。

    南は鹿児島県から北は青森県まで各地の遺跡で見つかり,県内でも,写真の東広島市高屋町・西3地点遺跡のほか,広島市・中山貝塚,三次市・塩町遺跡,深安郡神辺町・大宮遺跡などで見つかっています。

  • アメリカ大陸の北方地域で生活していた人が使っていた石製の包丁によく似ていたので,明治時代(今から約110年前)に,ある研究者が「石包丁」とつけたのが最初で,それが一般的に使われるようになりました。

  • 明治時代以降にいろいろな研究が進み,この石包丁は,中国や朝鮮半島などアジアの広い地域で,稲などの穀物の穂を摘 (つ) む道具として使われていて,日本でも「穴にひもを通し,そこに指を入れて握り,稲など穀物の穂を摘み取る道具」だと考えられるようになりました。

    名前から想像できる包丁としての使い方ではなかったようです

研究室からひとこと

    今の稲刈りは稲の根元から刈り取りますが,どうして弥生時代の米作りは,稲穂だけを刈り取ったのでしょうか。 それは,今の稲とは違って,一穂ずつの成長が違っていたからだと考えられています。成長した稲穂だけを刈り取るためには,このような道具が必要でした。

    米作りも改良が重ねられ,古墳時代中頃になると,根刈りへと変わっていきます。

    このように,一つの道具をくわしく調べることによって,今から約2000年前頃の生活の様子がわかってきます。

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