第1回研究テーマドングリのおいしい?食べ方
【ドングリって食べられる!?】
ドングリってどんなかな?
「ドングリ」と一言でいってもいろいろな種類があります。
ツブラシイ
(シイ類)
マテバシイ
(シイ類)
アカガシ
(カシ類)
アラカシ
(カシ類)
コナラ
(ナラ類)
ミズナラ
(ナラ類)
アクの少ないシイ類以外のドングリはとにかくシブい。
そのままではとても食べられません。
じゃあどうすればいいか?縄文人は考えました。
ドングリはシブ味をとって食べるべし
ドングリのシブ味研究
縄文人たちはドングリの固いカラを割り,中の実を磨石(すりいし)と石皿(いしざら)を使って粉にした後,土器の中で水にさらして,さらに熱を加えてみました。 すると,あ~ら不思議ドングリのシブ味は消えてしまいました。
ドングリのシブ味の原因は,タンニンとよばれる物質。 そして,このタンニンは水に溶けやすいという性質をもっていたのです。つまり,ドングリを水にさらすことによって,シブくなくなったわけです。 縄文人は,いろいろな調理法をためすことによって,タンニンをとりさることに成功したのです。
縄文人の食生活は!?
縄文人は,動物や魚・貝を獲っていただけでなく,春には木や草の新芽をつみ,秋には果物や木の実を集めていました。そのなかでも,ドングリなどの木の実は栄養のバランスもよく,一度に大量に手に入れることができる重要な食料源でした。
シブくなくなったドングリを石皿と磨石で粉にし,だんごやパンのようにしたり,スープのようにして食べていたと考えられます。
本地丸山遺跡(山県郡北広島町(千代田))出土の
磨石(上)と石皿(下)
秋に集めたドングリを冬に備え,貯蔵穴の中に入れてたくわえていました。
木の実の貯蔵穴
研究室からひとこと
このように,縄文人は自然の移り変わりのなかで,その時々の産物を加工・工夫しておいしく食べ,自然と共に生きていたと考えられます。