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発掘調査ニュース

平成30年度 発掘調査ニュース

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上ノ城跡(うえのじょうあと) (安芸郡坂町坂東4丁目)

【調査期間】平成30年5月7日 ~ 平成30年6月15日

毛利氏に滅ぼされた野間氏の砦の一つか!

〔調査の概要〕

 広島湾の東岸に位置する坂町の谷の最奥部に飛びだした丘陵の先端に築かれた上ノ城は,坂の町を見下ろす位置にあります。
 城跡は最高所の1郭と北に一段下がって2郭があり,2郭の東側に大きく下がって3郭という3つの郭で形成された小規模な砦状の山城です。また1郭の背後の山側は堀切によって遮断されています。小規模でも戦国期の山城の典型的な造り方を採用しています。
 調査は,丘陵の斜面の急傾斜地崩落対策事業の擁壁で削られる郭の一部を発掘するもので,現在,1・2郭の東側を中心に発掘を進めています。表土から備前焼の破片などが出土しています。
 戦国期の坂町や隣接する広島市安芸区矢野などを含めた一帯は,皇室領の安摩荘にあたり,室町期には愛知県の野間に出自をもつ野間氏が領主となっていました。野間氏は現在県史跡となっている矢野城(保木山城)を本拠に,周辺の矢野・坂に複数の城を築いて,領地を治めていました。上ノ城のすぐ北東に隣接して高尾山城(茶臼山城)があり,さらにその奥には矢野城があります。戦国期に野間氏は毛利氏と戦って敗れますが,その激戦地は高尾山城といわれており,上ノ城がこの戦いにどんな役割を果たしたのか発掘調査の結果が楽しみです。

現地説明会を6月8日(金)10:00と6月23日(土)13:30に予定しています。

  • 上ノ城跡から坂町の街並みを望む
    上ノ城跡から坂町の街並みを望む
  • 上ノ城跡の遠景(北東から)
    上ノ城跡の遠景(北東から)
  • 上ノ城跡の遠景(南西から)
    上ノ城跡の遠景(南西から)
     
  • 1郭の発掘のようす(南から)
    1郭の発掘のようす(南から)
  • 2郭の発掘のようす(南東から)
    2郭の発掘のようす(南東から)
  • 3郭の測量のようす(南西から)
    3郭の測量のようす(南西から)

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野原山城跡(のはらやまじょうあと)(広島市安芸区上瀬野町)

【調査期間】平成30年5月7日 ~ 平成30年7月27日

山城の調査開始!

〔調査の概要〕

 野原山城跡は瀬野川に流れ込む熊野川東岸の丘陵先端部に位置しています。野原山城跡頂部の標高は約150mです。頂部には東西に長い平坦面(郭)があり,この平坦面の東西両側に堀切があります。西側の堀切は1条,東側の堀切は5条確認されており,特に東側の防御を厚くしています。また,南側には通路状の長細い平坦面があります。
 瀬野川流域は多くの山城が築かれており,野原山城跡の周辺にも伊屋城跡・槻木城跡などの山城が確認されています。これらの城はいずれも戦国期にこの地を治めていた阿曽沼氏に関わるものと考えられますが,野原山城跡は記録が残っておらず,詳細は不明です。今回の発掘調査によって,城の一端が解明できるものと期待されます。

  • 頂部の平坦面(郭)の様子
    頂部の平坦面(郭)の様子
  • 平坦面西側の堀切
    平坦面西側の堀切
  • 平坦面東側の堀切
    平坦面東側の堀切
      

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