ひろしまの遺跡 特別号

あ い さ つ
理事長   寺川 衛

 財団法人広島県埋蔵文化財調査センターは,文化財の保護と各種開発事業との円滑な調和を図り,埋蔵文化財の調査研究,広報普及活動等をとおして本県の文化の発展向上に資することを目的として昭和53(1978)年6月1日に設立されました。
 以来,25年間,旧石器時代の遺跡から,弥生時代の集落や墳墓,古墳,中世の城跡,近世のたたら跡など,約600遺跡,76万m2の発掘調査を行ってまいりました。これらの成果は本県の歴史を明らかにするうえで,そして,わが国の歴史をたどるうえでも貴重な資料となっています。
 また,発掘調査においては大型機械や写真測量の導入,出土遺物の保存処理・分析などの手法を早くから取り入れ,技術面でも本県の発掘調査をリードしてきました。これらについては,広報誌「ひろしまの遺跡」などを通じて広く皆様にお知らせしてきたところです。
 しかし,近年の発掘事業量の急激な減少は当センターの運営を圧迫し,独立した組織としての存続は困難となり,財団法人広島県埋蔵文化財調査センターは本年3月31日をもって解散することになりました。この間に皆様から賜りました御厚情に対し,ここに改めて心から感謝を申し上げます。
 4月1日,当センターは財団法人広島県教育事業団に統合し,業務を継続していくこととなりますが,これまで同様の御支援と御協力を賜りますようよろしくお願いを申し上げます。



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