ひろしまの遺跡 第80号



〜今年度から県内各地の資料館を紹介します〜  三ッ城古墳は,県内最大の前方後円墳である第1号古墳を含む3基の古墳からなり,昭和57(1982)年に史跡に指定されました。平成2(1990)年度から平成5(1993)年度にかけて,保存と復元のための工事が行われ,現在は公園として整備されています。
  その整備された「史跡 三ッ城古墳」に隣接している東広島市立中央図書館の入口を入ったすぐの場所に,ガイダンスコーナーが設けられています。  このコーナーでは,模型や映像を使って,これまでに発掘調査でわかったことを紹介するだけでなく,市内のほかの遺跡から見つかった遺物も展示されています。その中の一つを紹介してみましょう。

  中郷2号遺跡(東広島市高屋町)の器台は,中郷古墳に接した溝状遺構から出土し,口径約38cm,脚端部径約31cm,器高約36cmです。県内の須恵器の器台は,東広島市三ッ城第1号古墳,三原市朝武第1号古墳,府中市平井古墳,広島市大久保古墳など数例があるにすぎません。
  広島県内で最大級の前方後円墳である三ッ城古墳の墳丘に立ち,復元された当時の状況を体感するだけでなく,このコーナーを訪れると,今から1500年〜1600年前の人々の営みを想像することができます。  ぜひお立寄りください。

須恵器・器台
(中郷2号遺跡出土)



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