ひろしまの遺跡 第79号

〜今年度から県内各地の資料館を紹介します〜
 遊歩道をゆっくりと登り,神辺町一帯が見渡せる歴史民俗資料館には,原始から古墳時代までの出土品および中世神辺城の出土品・近代・現代に至る民具等が展示されています。
 ここでは,7世紀前半と考えられる永谷第1・2号古墳の遺物について紹介しましょう。  この2つの古墳は,大きく破壊を受けていましたが,第1号古墳からは須恵器の高杯・台付 ・台付長頸壺・台付広口壺など多様な器種が出土しています。
 口径が10cmにみたない杯蓋・杯身は,死者のために供えられた器として副葬されたと考えられます。
 また,大甕は第2号古墳の横穴式石室前側のやや広くなっている所から2個出土したうちの1点で,墓前祭に使われたものと考えられます
 神辺町一帯は県内でも有数の遺跡密集地ですので,県史跡迫山第1号古墳出土の単鳳環頭太刀・銀象嵌太刀(県重要文化財)をはじめ,時代ごとに特徴的な遺物を見ることができ,当時の人々の暮らしぶりを知ることができます。




        つぎへ