ひろしまの遺跡 第77号

 安芸郡府中町立府中中央小学校6年生の約150名のみなさんと5月7日(金)に修学旅行の事前学習会でお会いしました。2泊3日の九州への修学旅行では,佐賀県の吉野ケ里遺跡を訪れるということです。
 「埋蔵文化財」ということばの意味や当センターの主な仕事である「発掘調査がなぜ行われるのか」からはじまり,府中町の周辺で出土した弥生土器などや遺跡の写真パネルを見てもらいながら,弥生土器などの作り方や土器から見える時代の移り変わりなどを説明しました。
実際に土器を粘土で事前に作った経験から,弥生土器の壺や甕・高杯などを生き生きした顔で観察してくれる子が多く,「どうやって作ったんだろう?」とか「作るのが難しそう。」などといろいろな感想が飛び出しました。
 その後,6年生のみなさんと先生方から心のこもったお手紙をいただきました。そのなかの一部を紹介したいと思います。
・ぼくは土器を初めて見ました。本物を見て昔の工夫はすごいなとおもいました。
・土器を作ってみたけど,なかなか作れなくてむずかしかったのに,
 昔の人はあんなに大きなつぼやむずかしい形の物を作れて
  すごくきようなんだなと思いました。
・ぼくは,とっても昔のことに興味がある。昔の人たちが生きていくために,
 いかにしぜんをうまくりようしたかがわかりました。
 わたしたちと同じ広島県に暮らした弥生時代の人びとが残してくれた遺物をとおして,1800年前へタイムトリップができ,大変楽しい時間を共有できました。
(阿部由貴子)